回線表(インプットリスト)テンプレート【無料DL・記入例つき】書き方と48V早見表
ライブハウスに出す回線表(インプットリスト)の書き方を、そのまま埋めれば完成する無料テンプレート(Excel・A4 PDF・記入例つき)と一緒に解説します。Ch・音源・マイク/DI・48V(ファンタム)・持込の埋め方、ドラムのCh割り当て、48V早見表、そして「ライブハウスからもらった回線表」と「自分が出すインプットリスト」の違いまで。読めば、PAが一発で読める1枚が作れます。
インプットリスト(回線表)とは
インプットリスト(回線表)とは、「ミキサーのどのチャンネルに、何の音を、どのマイク/DIで入れるか」を1行ずつ並べた一覧表のことです。「回線表」「ライン表」「PA表」とも呼ばれます。
セット図(配置図)が“ステージの見取り図”なら、インプットリストは“音の入り口の一覧”。セット図とセットで渡すと、PAは当日の回線(ケーブルやマイク)の本数を事前に用意でき、立ち上げが劇的に速くなります。必須ではありませんが、あるとPAにとても喜ばれます。
「ハコの回線表」と「自分が出すインプットリスト」は別物
ここが最初のつまずきポイントです。「回線表」で検索すると、ライブハウスやホールが配っているPDFが大量に出てきます。卓の機種名、A1〜A16といった番号、INSERTの欄、OUTPUT CHART……。あれを見て「こんなの書けない」と固まってしまう人がとても多いのですが、あれはバンドが埋めるものではありません。
| ハコの回線表(設備表) | 自分が出すインプットリスト | |
|---|---|---|
| 作る人 | 会場のPA・音響 | 出演するバンド |
| 中身 | 常設マイク・卓の機種・マルチの番号・INSERT(GATE/COMP)・出力の系統 | 自分たちが鳴らす音と、持ち込む機材 |
| 意味 | 「うちの設備はこうなっています」 | 「うちはこの音を出します」 |
| いつ | 出演が決まった時に渡される/資料ページからDL | 本番の1〜2週間前に提出 |
つまり、あなたが作るのは右側だけ。この記事のテンプレートも右側(インプットリスト)です。
ハコの回線表をもらったときの読み方(用語対訳)
とはいえ、渡された回線表が読めると「会場に何があるか」が分かり、自分のリストがぐっと書きやすくなります。よく出てくる表記だけ覚えておけば十分です。
| ハコの回線表の表記 | 意味 |
|---|---|
| TOP.L / TOP.R | オーバーヘッド(OH)。シンバル全体を上から拾う2本 |
| SN(TOP) / SN(BOT) | スネアの上側・下側。2本立てている会場もある |
| KICK IN / KICK OUT | バスドラの内側・外側。2本で録る会場の書き方 |
| H/H | ハイハット(HH) |
| A1・A2… / B1・B2… | ステージ袖のマルチボックスの差し込み口の番号(下手側=A、上手側=B など) |
| INSERT(GATE / COMP) | 卓側でかける処理。バンドが書く欄ではありません |
| FB | フォールドバック=返し(モニター)の系統 |
| 210 / 259 などの数字 | マイクスタンドの型番。ブーム/ストレートの区別 |
| OUTPUT CHART | スピーカーやアンプの出力側の一覧。こちらも会場側の資料 |
回線表に書く項目(列)
形式は自由ですが、次の列を用意するとPAが読みやすい回線表になります。
| 列 | 書くこと |
|---|---|
| Ch | チャンネル番号(1から連番) |
| 音源/パート | Kick・Snare・Gt・Ba・Vo など、その回線の音 |
| マイク/DI | マイク(種類)か、DI(ライン)か。持込マイクは型番も |
| スタンド | ブーム/ストレート/卓上など、必要なマイクスタンド |
| 48V | ファンタム電源の要否(○=要) |
| 備考 | 持込/会場、ステレオ(St)、型番、要望など |
記入例(4ピースバンド)
Vo/Gt/Ba/Dr の4人編成を例に、実際の回線表を1枚。これを真似れば形になります。
| Ch | 音源 | マイク/DI | 48V | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Kick | ダイナミック | 会場 | |
| 2 | Snare | ダイナミック | 会場 | |
| 3 | HH | コンデンサー | ○ | 会場 |
| 4 | OH L | コンデンサー | ○ | 会場 |
| 5 | OH R | コンデンサー | ○ | 会場 |
| 6 | Gt | マイク(前) | JC-120 | |
| 7 | Ba | DI | ○ | 持込・アクティブ |
| 8 | Key L | DI | St(ステレオ) | |
| 9 | Key R | DI | St | |
| 10 | Vo | ダイナミック | SM58 |
回線表テンプレートを無料ダウンロード(Excel・A4 PDF)
上の記入例をそのまま埋めれば完成する白紙の回線表を、Excelと印刷用のA4 PDF・画像(PNG)で配布します。登録不要・無料で、印刷・配布・改変も自由。どちらにも48V(ファンタム)早見表と返し・電源の記入欄が入っているので、迷わず1枚で完成します。
使い方は3ステップ。① 実際に鳴らす音だけを上から書く → ② ライン楽器は「DI」、声・アンプ・生ドラムは「マイク」と書き分ける → ③ セット図と2枚セットにして、日付_バンド名_回線表のファイル名で送る。会場から指定のフォーマットがある場合はそちらを優先してください。
ドラムのCh割り当て(定番と記号)
ドラムは1本ではなく、パーツごとに複数の回線を使います。定番はこの並び。
- Kick(バスドラム)
- Snare(SD)(スネア)
- HH(ハイハット)
- OH L / OH R(オーバーヘッド=シンバル全体を上から。L/Rの2本)
- 必要に応じて Tom(1T・2T・FT)
SD=スネア、HH=ハイハット、CC=クラッシュ、RC=ライド、といった略記も現場で通じます。小さな箱では Kick/Snare/OH の最小構成で足りることも多いです。
DIって何?「マイクレベル」と「ラインレベル」
回線にはマイクレベル(弱い信号)とラインレベル(強い信号)の2種類があります。ベース、キーボード/シンセ、エレアコ(ピックアップ)などのライン出力は、DI(ダイレクトボックス)を通してマイクレベルに変換してから卓へ送ります。
- DIを使う:ベース、キーボード/シンセ、エレアコ(DI)、アンプシミュレーター(KEMPER等のライン出力)
- マイクで拾う:ボーカル、ギターアンプ(前にマイク)、生ドラム、生ギター
48V(ファンタム電源)の要否 早見表
「48Vって何に付けるの?」がひと目で分かる早見表。要る所だけ○を付けます。
| 音源/機材 | 48V(ファンタム) |
|---|---|
| コンデンサーマイク | 必要 ○ |
| ダイナミックマイク(SM58等) | 不要 |
| アクティブDI | 必要 ○ |
| パッシブDI | 不要 |
| リボンマイク | 基本かけない(故障の恐れ)⚠️ |
弾き語り・少人数の簡易回線表
1〜2人なら、数行で十分です。
| Ch | 音源 | マイク/DI | 48V | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Vo | ダイナミック | SM58 | |
| 2 | A.Gt | DI | エレアコ(ライン) |
アコギをマイクで拾う場合は「マイク(前)+要スタンド」に。配布Excelの「記入例(弾き語り)」シートにカホンのサポートを足した3回線の例が入っています。詳しくは弾き語りのセット図の書き方で解説しています。
よくあるNG・失敗例
- ❌ 「マイク」としか書いていない:→ ダイナミックかコンデンサーか、持込なら型番を。
- ❌ DIかマイクか不明:→ ベース・キーボードはDIと明記。
- ❌ ステレオ/モノラル不明:→ キーボードや同期はSt(ステレオ)や本数を。
- ❌ Ch数だけ多くて中身が不明:→ 使わない回線は載せない。実際に鳴らす音だけ。
- ❌ 持込機材の型番なし:→ アンプ・DI・マイクの型番を書くとPAが準備しやすい。
- ❌ ハコの回線表をそのまま送り返す:→ それは会場の設備表。自分が鳴らす音に書き直して出しましょう。
セット図+回線表を最速で作る
回線表は表計算でも作れますが、セット図と別々に管理すると食い違いが起きがち。セット図くんなら、ステージ配置を並べながら回線表(インプットリスト)も同じ画面で作成し、1枚のPDF・共有リンクにまとめて出せます。登録不要・完全無料。

