セット図をエクセル・パワポで作る方法【図形の手順つき】テンプレを探すより速いやり方
「セット図のエクセルテンプレートを探しているけれど、ちょうどいいものが見つからない」——そんな方へ。実は白紙から作っても15分ほどで完成します。この記事では、ExcelとPowerPointそれぞれの具体的な手順を、図形の選び方からPDF書き出しまで順を追って解説します。
結論:Excelより「PowerPoint」の方が作りやすい
先に結論です。セット図を作るならPowerPoint(またはGoogleスライド)が最も向いています。理由はシンプルで、セット図は1枚の紙に図形を自由に置く種類の資料だからです。表計算のためのExcelは、図形をセルの上に浮かせて置くことになり、少し扱いづらくなります。
| ツール | 向き | 特徴 |
|---|---|---|
| PowerPoint/Googleスライド | ◎ 最も向く | 1枚もの資料が本業。図形の配置・整列が直感的で、PDF書き出しも簡単 |
| Excel/スプレッドシート | ◯ 使える | 方眼にすれば配置しやすい。回線表と同じファイルにまとめられるのが利点 |
| Word | △ やや不向き | 図形が文章の流れに引っ張られて動きやすい。テキストボックスの固定が必要 |
| Pages・Keynote(Mac) | ◯ 使える | Keynoteはパワポと同じ感覚で使える。iPhoneでもある程度編集可能 |
Excelでセット図を作る手順(6ステップ)
Excelで作る場合、いきなり図形を置き始めると位置が揃わずガタガタになります。先に方眼を作るのがコツです。
① セルを方眼にする
全セルを選択(左上の三角をクリック)してから、列幅を2前後、行の高さを15前後に設定します。これでマス目が正方形に近くなり、図形がマス目に沿って気持ちよく並びます。
② ステージの枠を描く
「挿入」→「図形」→四角形で、横長の長方形を1つ描きます。これがステージです。塗りつぶしなし・枠線は太めにしておくと、中に置く機材が見やすくなります。
③ 上下の向きを書き込む
ここが最重要です。枠の上辺に「奥(バックライン)」、下辺に「客席側」とテキストを入れます。さらに右に「上手」、左に「下手」と書きます。上手・下手は客席から見た向きなので、この一言があるだけで読み違いが激減します。
④ 機材の図形を置く
下の対応表のとおりに図形を配置します。同じ図形を使い回すときは、Ctrlキーを押しながらドラッグすると複製できます。
⑤ 文字を入れる
図形を右クリック→「テキストの編集」で、図形の中に直接「Gt.Amp」「Dr」などと入力できます。テキストボックスを別に置くよりズレません。
⑥ グループ化してPDFに書き出す
すべての図形を選択(Ctrl+クリックで複数選択)して右クリック→「グループ化」。これでまとめて動かしても配置が崩れません。最後に「ファイル」→「エクスポート」→「PDFの作成」で書き出します。
PowerPoint・Googleスライドで作る手順
パワポの場合は方眼の準備が不要で、その分手数が減ります。
- スライドを白紙にする——「ホーム」→「レイアウト」→「白紙」。タイトル枠が邪魔にならなくなります
- 用紙を横向きに——「デザイン」→「スライドのサイズ」。ステージは横長なので横向きが自然です
- ガイド線を出す——「表示」→「ガイド」にチェック。中央が分かるので左右対称に置きやすくなります
- 整列機能を使う——複数の図形を選んで「配置」→「左右に整列」。返しを等間隔に並べるときに便利です
- PDFで保存——「ファイル」→「名前を付けて保存」で、ファイル形式にPDFを選ぶだけです
Googleスライドでも操作はほぼ同じで、ブラウザだけで完結し、共有リンクをそのまま渡せるのが強みです。ただしスマホアプリでの図形編集はかなり窮屈なので、パソコン作業が前提になります。
図形と機材の対応表
セット図の記号には厳密な決まりはありませんが、現場で通じる慣習はあります。これに沿っておけばPAもドラム担当も迷いません。
| 機材 | 使う図形 | 書く文字 |
|---|---|---|
| ギターアンプ/ベースアンプ | 四角(横長) | Gt.Amp/Ba.Amp+持込かレンタルか |
| ドラム | 大きめの円 | Dr(ハウス/持込の別も) |
| ボーカルマイク | 小さい円+縦線、または◎ | Vo/Cho |
| 返し(モニター) | 台形(黒く塗る) | 不要。位置だけで伝わります |
| キーボード | 細長い四角 | Key+DI本数・要電源 |
| 同期・PC | 四角 | 同期(PC+IF)+DI本数 |
| 演者の立ち位置 | 円または人型 | パート名(Vo/Gt/Ba) |
PDFで提出するときの注意
- 必ずPDFか画像で送る——.xlsxや.pptxのまま送ると、相手のOfficeのバージョンやフォント環境でレイアウトが崩れます
- フォントは標準的なものに——凝ったフォントは相手の環境で置き換わります。游ゴシックやメイリオなど無難なもので十分です
- 1ページに収める——2ページ目に返しだけ残っている、という事故が起きがちです
- ファイル名に日付とバンド名——
0910_バンド名_セット図.pdfの形が親切です - スマホで開いて確認——担当者がスマホで見ることも多いので、縮小しても文字が読めるかを最後にチェックします
Officeで作るときの4つのつまずき
実際に作った方がぶつかりやすいポイントを、対処法とあわせて挙げておきます。
| つまずき | 対処 |
|---|---|
| 図形が微妙にズレる | Excelなら方眼+「Altキーを押しながらドラッグ」でセルに吸着。パワポなら「配置」→「整列」を使う |
| 動かすとバラバラになる | 完成したら必ずグループ化。編集するときだけグループ解除する |
| スマホで直せない | Officeアプリでの図形編集は実用的ではありません。直前の変更に弱いのがOfficeの弱点です(スマホで作る方法) |
| メンバーと共有しづらい | ファイルを送り合うとどれが最新か分からなくなります。Googleスライドか、URLで共有できるツールが有利です |
Office向きの人・ツール向きの人
どちらが優れているという話ではなく、状況によって向き不向きがあるだけです。正直に整理します。
| こんな人 | おすすめ |
|---|---|
| ライブハウスからExcelの指定フォーマットを渡された | 迷わずExcel。指定は必ず優先してください |
| 回線表やPA表も同じファイルにまとめたい | Excel。シートを分けて1ファイルで提出できます |
| 資料の見た目を細かく作り込みたい | PowerPoint。自由度が最も高い |
| スマホしか持っていない/移動中に直したい | ブラウザで動く専用ツール |
| 編成やメンバーがよく変わる | 専用ツール。ひな形から作り直すのが速い |
| とにかく今すぐ1枚必要 | 専用ツール。図形を探す時間がかかりません |
まとめ
- Officeで作るならPowerPointが最も向く。Excelは方眼にしてから図形を置く
- Excelの手順は方眼→ステージ枠→向きの明記→図形→文字→グループ化→PDFの6ステップ
- 記号は四角=アンプ、円=ドラム、黒い台形=返しが現場の慣習
- 提出は必ずPDFか画像。元ファイルのままだとレイアウトが崩れます
- Officeの弱点はスマホで直せないこと。直前変更が多いライブでは効いてきます