香盤表とは?読み方・タイムテーブルとの違い・ライブでの見方と作り方【実例つき】
出演が決まると送られてくる「香盤表(こうばんひょう)」。結論から言うと、イベント当日の進行を「時間・出番・担当」ごとに1枚にまとめた進行表のことです。この記事では、香盤表の読み方と由来、タイムテーブルとの違い、対バンライブの実例、出演者がチェックすべき5つのポイント、主催者向けの作り方まで解説します。
結論:香盤表とは「当日の進行を1枚にまとめた表」
香盤表とは、イベント当日の流れを「時間・内容・出演者・担当」の形で時系列に並べた進行表のこと。読み方は「こうばんひょう」です。テレビ・舞台・撮影・ライブイベントと幅広い現場で使われ、出演者の入り時間からリハーサルの順番、開場・開演、転換、終演・撤収までが1枚で追えるようになっています。
語源は歌舞伎の世界から。線香を立てる升目のついた台「香盤」に、出番のシーンへ印をつけていく表の見た目が似ていたことから、この名がついたと言われています。
タイムテーブルとの違い
よく混同されるのが「タイムテーブル」。ざっくり言うと、タイムテーブルは観客にも見せる「出番と時間の一覧」、香盤表は現場を動かすための「実行ドキュメント」です。
| タイムテーブル | 香盤表 | |
|---|---|---|
| 目的 | 出演順と時間を知らせる | 当日の現場を動かす |
| 読む人 | 観客・出演者 | スタッフ・出演者・主催 |
| 載る内容 | 時間と出演者名 | 時間+尺+内容+担当+きっかけ+備考 |
| 粒度 | 本番の枠だけ | 入り・リハ・開場・転換・撤収まで全部 |
とはいえ、ライブハウス界隈では出演者に送られる詳しめのタイムテーブルが実質「香盤表」を兼ねていることも多く、厳密な線引きより「どこまで細かく書いてあるか」の違いと考えるのが実態に近いです。
ライブの香盤表に書かれる項目
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 時間 | 開始時刻。15:00、18:30 など |
| 尺 | その項目にかける時間。リハ30分、本番25分、転換15分など |
| 内容 | 入り/リハ/開場/本番/転換/終演/撤収 |
| 出演者 | どのバンド・誰の枠か |
| 担当 | PA・照明・ドリンク・物販など、その時間に動くスタッフ |
| きっかけ | SEで暗転から登場、影アナ後に開演など、開始の合図 |
| 備考 | 持込機材、同期(オケ)あり、楽屋割りなどの補足 |
実例:対バン4組のライブの香盤表
ライブハウスの平日対バンイベント(4組)なら、香盤表はおおよそこんな形になります。
| 時間 | 尺 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 15:00 | — | 出演者入り・楽屋割り | 全バンド/搬入は裏口から |
| 15:30 | 30分 | リハ① バンドD(トリ) | 逆リハ/セッティング残し |
| 16:00 | 25分 | リハ② バンドC | |
| 16:25 | 25分 | リハ③ バンドB | 同期あり・DI 2ch |
| 16:50 | 25分 | リハ④ バンドA(1番手) | セッティング残して開場へ |
| 17:30 | — | 開場 | BGM/ドリンク対応 |
| 18:00 | 25分 | 本番① バンドA | SEで暗転から |
| 18:25 | 15分 | 転換 | 物販アナウンス |
| 18:40 | 25分 | 本番② バンドB | 同期あり |
| 19:05 | 15分 | 転換 | |
| 19:20 | 25分 | 本番③ バンドC | |
| 19:45 | 15分 | 転換 | |
| 20:00 | 30分 | 本番④ バンドD(トリ) | アンコール想定 |
| 20:30 | — | 終演・撤収・精算 | 21:30 完全撤収 |
ポイントはリハが出演順と逆(逆リハ)になっていること。最後にリハをした1番手のセッティングをそのまま残して開場・本番に入れるため、転換が最小で済みます。詳しくはサウンドチェック・リハーサルの流れをどうぞ。
出演者が香盤表でチェックすべき5つのポイント
- ① 入り時間と搬入方法:集合に遅れると全バンドのリハが押します。搬入口・駐車場の指定も確認
- ② 自分のリハ順と尺:逆リハなら出番が早いほどリハは後ろ。リハ尺が短ければ返しの要望を先に整理しておく
- ③ 本番の尺と「転換込みか」:「持ち時間30分・転換込み」なら演奏できるのは実質20〜25分。セットリストの組み方が変わります
- ④ 転換時間と前後のバンド:自分の前が同期・持込の多いバンドなら、転換に余裕を見て袖で待機
- ⑤ 終演後の撤収・精算時刻:完全撤収の時刻から逆算して、打ち上げや機材車の手配を
香盤表の作り方(主催者向け・5ステップ)
自主企画やサークルイベントで香盤表を作る側になったら、次の順で組むと破綻しません。
- ① 終演から逆算する:会場の利用終了時刻・完全撤収時刻・観客の終電を先に固定する
- ② 本番枠を「演奏尺+転換」で積む:転換は10〜15分が標準。持込・同期が多いバンドは5分加算
- ③ リハは逆リハで並べる:トリから順にリハをして、1番手のセッティングを残して開場へ
- ④ 担当と「きっかけ」を書く:SE・暗転・影アナなど開始の合図まで書くと、当日の口頭確認が減る
- ⑤ 前日までに全員へ共有し、リハで更新する:香盤表は作って終わりではなく、リハ中の変更を反映して初めて機能します
香盤表とセット図・回線表——「時間」と「空間」の設計図
当日をスムーズに回すための書類は、役割で分けると2系統あります。香盤表=時間の設計図、セット図・回線表=空間と音の設計図。主催者は香盤表を配り、出演者はセット図とインプットリスト(回線表)を返す——この交換が揃ったイベントは、リハも転換も驚くほど速く進みます。
対バンでの提出の作法は対バンのセット図・提出マナーにまとめています。