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用語集

中音・外音とは?ライブでの意味と読み方・リハでの中音の作り方・PAへの伝え方の例文まで解説

公開:2026年08月16日 ・ 運営:LOCAL POWER株式会社(セット図くん)

「客席では歌が全然聞こえなかったよ」——ライブ後に友人からそう言われて驚いた経験はありませんか?ステージの上では完璧なバランスだったのに。その原因が中音(なかおと)と外音(そとおと)の違いです。結論から言うと、中音=ステージ上で演者が聴いている音、外音=メインスピーカーから客席に届く観客用の音。この2つは別物で、演者が本番中に聴けるのは中音だけです。この記事では、音の仕組みから、リハーサルでの中音の作り方、PAさんへの伝え方の例文、「中音爆音」が嫌われる理由まで、ライブの音の必修知識をまとめて解説します。

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結論:中音=演者が聴く音、外音=観客が聴く音

中音(なかおと)とは、ステージの上で演者が聴いている音のこと。外音(そとおと)とは、メインスピーカーから客席に向けて出る、観客が聴く音のことです。同じライブでも、ステージの内側と外側ではまったく違う音が鳴っています。

用語意味
中音(なかおと)ステージ上で演者が聴いている音。生音+返しの音+外音の跳ね返りの混合
外音(そとおと)メインスピーカーから客席に届く音。PAがミックスした観客用の完成形
生音(なまおと)アンプやドラムから直接出ている、スピーカーを通らない音
返し(モニター)演者に向けて音を返すスピーカー。中音をつくる要

ポイントは、演者は本番中、外音をほぼ確認できないこと。だからこそ「中音をどう作るか」と「外音を誰に任せるか」の理解が、ライブの音を決めます。

読み方と使い方——リハで必ず飛んでくる「中音どうですか?」

読み方は「中音=なかおと」「外音=そとおと」。「ちゅうおん」「がいおん」とは読みません(「ちゅうおん」と読むと音域の中音域の意味になります)。リハーサルでは次のように使われます。

場面例文
PA→演者中音どうですか?足りないものあれば言ってください」
演者→PA「中音はOKです。外音はお任せします
観客・共演者の感想「今日の外音めちゃくちゃ良かったね」
反省会中音を上げすぎて、外音がぐちゃぐちゃになってたらしい」
💡 リハで「中音どうですか?」と聞かれて何も答えられない……が初ライブあるある。この記事の例文集を予習しておけば大丈夫です。

なぜ「中」と「外」に分かれる?——ライブハウスの音の仕組み

ライブハウスのメインスピーカーは、ステージの左右(客席側)に設置され、客席の方を向いています。つまり演者は、メインスピーカーの後ろ側・音の死角に立っている状態。観客に届いている音が、演者にはほとんど聞こえません。

そのままでは自分の歌も他のパートも聞こえず演奏できないため、演者専用のスピーカー=返し(モニター)がステージ床に置かれ、必要な音を演者に「返して」くれます。この返しでつくる音こそが中音です。

▲ 黒い台形が返し(ウェッジモニター)。ステージ最前の床に置かれ、演者に向けて音を「返す」。

音の流れを整理すると——各楽器・マイクの音はDIやマイクを通っていったんPA卓に集まり、①客席向けにミックスされてメインスピーカーへ(=外音)、②演者向けに別ミックスで返しへ(=中音の材料)、と2系統に分配されています。

中音の中身——生音+返し+跳ね返りの「混ぜもの」

中音は返しの音だけではありません。実際には3つの音が混ざっています。

そして重要なのが、中音は立ち位置ごとに全員違うということ。ドラマーの中音とボーカルの中音は別物です。だからリハでは、PAが1人ずつ「何を返してほしいか」を聞いてくれるのです。

外音の中身——PAがつくる「作品」。演者は聴けない

外音は、PAエンジニアが卓で全パートのバランス・音質・音圧を整えた観客用の完成形ミックスです。そして構造上、演者はステージの上から外音を確認できません。リハ中に一度フロアに降りて聴く以外、本番中の外音は完全にPA任せです。

だからこそ大原則は「中音は必要最小限、外音はPAを信じて預ける」。ステージ上の音量が上がるほどPAのコントロールできる余地が減り、外音は濁っていきます。本番の音を良くする最大のコツは、実は「PAが仕事をしやすい状態を渡すこと」なのです。

💡 自分たちの外音を確認したいなら、客席で録音・録画してもらうのが一番。スマホ1台でも、ステージ上との違いに驚くはずです。次のライブの音作りが変わります。

リハーサルでの中音の作り方——4ステップ

対バン形式なら、リハは逆リハ(出演順の逆から)で行われるのが基本。サウンドチェックの流れの中で、中音は次の手順で作っていきます。

⚠️ リハの目的は「気持ちよく聴くこと」ではなく「演奏をミスしない最小限の中音を作ること」。あれもこれも返してもらうと、音がだんごになって逆に演奏しづらくなります。迷ったら「歌(とクリック)だけしっかり、あとは薄く」が定石です。

PAへの伝え方——そのまま使えるオーダー例文集

要望は「どの返しに・何を・どうしてほしいか」の3点セットで伝えると一発で通じます。

状況例文
歌が聞こえない返しにボーカルください」「ボーカルもう少し大きめでお願いします」
特定の楽器がほしい上手の返しにキーボード足せますか?
大きすぎる「返しのギター、少しだけ下げてください
返しが不要「ベースはアンプの生音で足りてます。返しはボーカルだけで大丈夫です
同期・クリック使用クリックはドラムの返しだけにお願いします(客席には出さないでください)」
ハウリングが不安「さっきハウったので、返しの高い成分を少し抑えられますか?」
問題なし「中音OKです、ありがとうございます。外音はお任せします
本番中に調整したい(返しを指差して上げ下げのジェスチャー+口の動きで「ボーカル」など)

専門用語を無理に使う必要はありません。「自分の位置で、何が聞こえなくて困っているか」を具体的に言えれば、PAはプロなので必ず解決してくれます。

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アンプの音量と外音——「中音爆音」が嫌われる理由

ライブハウスでよく聞く「中音爆音(なかおとばくおん)」という言葉。ステージ上の生音——特にギターアンプ——が大きすぎる状態を指し、PAからもっとも嫌われるパターンです。理由は明確で、

対策はシンプルで、アンプの音量は「ステージ内で自分たちが演奏できる最小限」に抑え、客席に届ける音量はマイクで拾ってPAに任せること。小さい会場ほど「ステージの音量=そのまま外音」になることを覚えておきましょう。音圧が欲しいときこそ、アンプではなく外音で稼ぐのが正解です。

中音の定番トラブル5つと対処法

トラブル対処
自分の音が聞こえない返しに足してもらう前に、アンプの向き・位置を見直す(耳の高さに向ける・少し離れる)だけで解決することも多い
ハウリングする返しとマイクの位置関係が原因のことが多い。ハウリングの仕組みと対策を参照
音がだんごで分離しない返してもらう音を減らす・中音全体を下げる。足し算でなく引き算で解決する
会場ごとに毎回違って戸惑う正常です。中音は会場の広さ・天井の高さ・返しの数で毎回変わるもの。「最低限これだけあれば演奏できる」型を自分の中に作っておく
音が大きすぎて耳が疲れる遠慮なく「全体的に下げてください」と言ってOK。長期的には耳栓(ライブ用イヤープロテクター)やイヤモニの検討を

会場規模別の中音・外音——小箱と野外では別世界

会場中音・外音の特徴
小箱(〜100人)生音の比重が最大。ステージの音がほぼそのまま外音に混ざるため、アンプ音量のコントロールが命
中箱(100〜500人)PAのコントロール比重が上がる。中音と外音の分離が進み、返しの作り込みが効いてくる
ホール・大箱外音はほぼ100%PAの音。ステージが広く生音が届きにくいため、返し(またはイヤモニ)への依存度が最大になる
野外・フェス壁がないため跳ね返りがゼロ。音が飛んでいく独特の感覚になり、返しがないと隣の音すら聞こえないことも。リハなし(ラインチェックのみ)も多く、要望は先に書面で伝えるのが鉄則

イヤモニ(IEM)だと何が変わる?

イヤモニ(IEM)は、返しスピーカーの代わりに耳の中に中音を作る仕組みです。遮音された耳に必要な音だけをステレオで流せるため、中音の悩みの多く——ハウリング・会場ごとの聞こえ方の差・爆音による耳の疲労——が一気に解決します。

一方で、外音の跳ね返りや客席の歓声も遮音されるため、会場の空気から切り離される感覚には慣れが必要。ボーカルだけイヤモニ・他は返しというハイブリッド運用が現実的な落とし所です。使う場合は、送信機の置き場所と電源をセット図に書いておきましょう。

中音の要望は「事前に・書面で」——セット図・回線表の出番

リハの時間は1バンド20〜30分。当日その場で要望を伝えるより、事前にセット図・回線表(PA表インプットリスト)に書いて送っておく方が、PAは仕込みの段階から準備でき、リハは確認だけで済みます。

まとめ:中音は自分たちで作り、外音はPAに預ける

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よくある質問(FAQ)

中音・外音とはそれぞれ何ですか?
中音(なかおと)はステージ上で演者が聴いている音のことで、楽器の生音・返し(モニター)の音・外音の跳ね返りが混ざったものです。外音(そとおと)はメインスピーカーから客席に届く音のことで、PAエンジニアがミックスした観客用の音を指します。
中音・外音の読み方は?
「中音=なかおと」「外音=そとおと」と読みます。「ちゅうおん」と読むと音域(低音・中音・高音)の意味になってしまうため、ライブの文脈では必ず「なかおと」「そとおと」です。
中音と外音はなぜ違って聞こえるのですか?
メインスピーカーが客席の方を向いていて、演者はその後ろ側(音の死角)に立っているためです。演者にはメインスピーカーの音がほぼ聞こえず、代わりに生音と返しの音を聴いています。聴いている音源自体が違うので、ステージと客席では全く別の音になります。
中音の上手な作り方のコツはありますか?
「演奏をミスしない最小限」を目指すのがコツです。自分の演奏に本当に必要な音(多くの場合ボーカルとクリック程度)だけを返してもらい、あとは生音でまかなうと、音がだんごにならず演奏しやすくなります。要望は「どの返しに・何を・どうしてほしいか」の3点セットで伝えます。
「中音爆音」はなぜ嫌われるのですか?
ステージ上の生音(特にギターアンプ)が大きすぎると、その音はPAの卓では下げられないまま客席に直接届き、外音のバランスが崩壊するからです。他のマイクにも回り込んで音が濁るため、アンプはステージ内で聞こえる最小限にし、客席への音量はPAに任せるのが正解です。
演者は本番中に外音を確認できないのですか?
できません。本番中にステージから降りて客席で聴くことはできないため、外音は完全にPAに預けることになります。自分たちの外音を知りたい場合は、客席で録音・録画してもらって後から確認するのが確実です。
イヤモニを使うと中音はどうなりますか?
返しスピーカーの代わりに、遮音されたイヤホンの中に必要な音だけをステレオで流す形になります。ハウリングや会場ごとの聞こえ方の差、爆音による耳の疲労が解決する一方、会場の空気から切り離される感覚には慣れが必要です。ボーカルだけイヤモニのハイブリッド運用も定番です。
中音の要望はいつ伝えればいいですか?
理想は出演が決まった段階で、セット図・回線表(インプットリスト)に「返し:ボーカル多め」「クリックはドラムのみ」のように書いて事前に送っておくことです。PAが仕込み段階から準備でき、当日のリハーサルは確認だけで済みます。