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用語集

客電とは?意味と読み方・落ちる/入るの合図・演者が知っておく実務まで解説

公開:2026年08月13日 ・ 運営:LOCAL POWER株式会社(セット図くん)

ライブや舞台で使われる「客電(きゃくでん)」という言葉。結論から言うと、客電とは客席側の照明のことです。「客電が落ちる」と言えば開演の合図、「客電が入る」と言えば終演やアンコールの合図。演者にとってはステージに出るタイミングそのものを意味する重要なキーワードです。この記事では、意味と読み方に加えて、開演前後の流れ・照明さんへの伝え方・演者から見た景色の変化まで解説します。

客電が落ちる前に、準備を終わらせておくために
客電が落ちてから慌てないよう、配置と返しの希望は事前にセット図で共有を。セット図くんなら数分で作れて、URLで主催者にもPAにも送れます。無料・登録不要。
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結論:客電=客席の照明。関連する照明用語の早見表

客電とは「客席照明」を縮めた言葉で、観客が座る(立つ)側を照らす照明のことです。読み方は「きゃくでん」。ステージ側の照明とは系統が分かれており、多くの場合、開演とともに落とされます。

用語意味照らす場所
客電(きゃくでん)本記事のテーマ。客席の照明。落とす=開演、入れる=終演の合図客席
暗転(あんてん)ステージの照明を落として暗くすること。客電とは別系統。曲間や場面転換で使うステージ
地明かり(じあかり)ステージ全体をまんべんなく照らすベースの照明ステージ
サス(サスペンションライト)真上から特定の位置を照らす照明。ソロの見せ場などで使うステージ
ピンスポ(ピンスポット)人物を追いかけて照らす照明。ホール・大箱で使われるステージ
ホリゾントステージ奥の壁・幕を照らす照明。色で世界観を作るステージ奥
フットライトステージ前端の床から演者を照らす照明ステージ
💡 混同しやすいのが「客電」と「暗転」:客電が落ちても、ステージが明るければそれは暗転ではありません。逆に暗転してもロビーや客席の足元灯が点いていることもあります。客電=客席側、暗転=ステージ側と覚えておけば取り違えません。

読み方と語源——もとは劇場の言葉

「客電」は「きゃくでん」と読みます。もともとは劇場・演劇の現場で使われてきた言葉で、客席(きゃくせき)+電気(でんき)=客電という成り立ちです。同じ系統の略語に「舞台電気(舞電)」「作業灯(ワークライト)」などがあります。

ライブハウスの現場には、上手・下手板付きバミリ影アナなど、演劇・興行由来の用語が数多く残っています。客電もそのひとつで、音楽の現場でもそのまま通じる言葉です。

「客電が落ちる」=開演の合図。開演前後のタイムライン

客電がいちばん強く意識されるのは、開演の瞬間です。ライブハウスの一般的な進行では、次のように進みます。

タイミング客電の状態起きていること
開場中点灯(明るい)お客さんが入場・移動する時間。安全のため明るく保つ。BGMが流れている
開演5分前やや落とす影アナ(注意事項のアナウンス)が入ることが多い。「まもなく開演です」
開演直前落ちる(暗くなる)客電が落ちた瞬間に歓声が上がる。ここからがライブの時間
開演落ちたまま登場SEが流れ、演者がステージへ。板付きなら既に立っている
本編中落ちたままステージ側の照明だけが動く。演出によっては一瞬入れることも
転換中(対バン)入れる(明るい)機材の入れ替え作業のため点灯。お客さんはドリンクや移動の時間に使う
アンコール入れる/落とすは演出次第入れて客席を見渡す演出もあれば、落としたまま続ける場合もある
終演入る(明るい)客電が入る=「今日は終わりです」の合図。BGMが流れ、退場が始まる
💡 「客電が落ちたら始まる」は演者側の合図でもあります:袖で待機している場合、客電が落ちてSEが流れるのがステージに出るキュー。板付き(開演前からステージ上にいる形)の場合は、暗いうちに定位置についておく必要があります。チューニングや立ち位置の確認は、客電が落ちる前に終わらせておきましょう。

客電を「入れる」4つの場面

本編中は落としたままが基本ですが、意図的に客電を入れる場面もあります。いずれも事前に照明担当と打ち合わせが必要な演出です。

場面ねらい注意点
①アンコール・ラスト客席とステージを同じ明るさにして一体感を出す。演者からもお客さんの顔が見える集中していた空気が緩むので、使うのは終盤に限るのが定石
②客席降り・フロアに降りる演出安全確保。暗いまま客席に降りるのは事故のもと必ず会場の許可を取る。導線もスタッフと共有する
③撮影タイム・記念撮影客席を含めた写真を撮るため。SNS用の集合写真など撮影可否は会場ルール次第。事前告知とセットで
④合唱・全員参加のパート「みんなで歌う」場面で客席を見せる。参加している実感が生まれる曲の途中で明るくなるので、演出として意図が伝わる形にする

いずれもステージングの一部として設計するもの。「なんとなく明るくする」と、ただ緊張感が切れるだけになってしまいます。

照明の要望も、配置と一緒に伝えよう
「4曲目で客電を入れてほしい」といったきっかけは、セット図の備考欄にまとめて渡すのが確実。セット図くんなら数分で作れて、そのままURLで共有できます。
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客電が落ちると、演者からはどう見えるのか

初めてステージに立つと驚くのが、客電が落ちるとお客さんの顔がほとんど見えないという点です。ステージ側から見た景色は、客席から想像するものとかなり違います。

⚠️ 照明で足元が見えなくなることもあります:正面から強い照明を浴びると、自分の足元や返し(モニター)の位置が見えづらくなります。移動する動きを入れるなら、リハの段階で歩数と位置を身体に覚えさせておくと安全です。

会場による客電の違い——ライブハウス・ホール・フロアライブ

客電の扱いは、会場の形態によって大きく変わります。

会場客電の扱い特徴
ライブハウス開演で落とし、転換で入れる照明卓のオペレーターが操作。対バンでは転換ごとに明暗が切り替わる
ホール・劇場ベル(開演合図)と連動開演5分前の1ベルで少し落とし、2ベルで完全に落とすなど段階的。演劇由来の作法が残る
フロアライブそもそも分かれていないことが多いステージがなく演者と客が同じ床にいるため、客席照明とステージ照明の境界が曖昧
カフェ・バー落とさない/落とせない飲食営業のため明るさを保つ。アコースティックライブでは明るいまま演奏することも多い
野外・フェス日中は概念として存在しない自然光のため照明演出そのものが効かない。夜のステージでのみ機能する
学園祭・体育館会場の設備次第体育館の照明は段階的な調光ができないことも。事前確認が必須(軽音・文化祭のセット図

つまり「客電が落ちてから始まる」という前提が通用しない会場もあるということです。明るいままステージが始まる会場では、SEや影アナなど音で開演を知らせる工夫が重要になります。

照明担当への伝え方——客電に関する要望

ライブハウスでは、PAとは別に照明担当がついていることがほとんどです(小箱では兼任のことも)。要望は遠慮せず伝えて構いませんが、タイミングが決まっている演出は事前にが鉄則です。

伝えたいこと伝え方の例
登場のタイミング「SEの30秒あたりで出ますので、そこでステージだけ薄く点けてください」
客電を入れてほしいラスト前の〇曲目のサビで客電を入れてほしいです。合唱パートがあります」
客席に降りる「4曲目で客席に降ります。安全のため客電を入れていただけますか」
暗転してほしい「3曲目の終わりで一度暗転、SEが終わったら全開でお願いします」
色・雰囲気「1曲目は赤系で激しく、5曲目は青系で静かに」程度でも十分伝わる
特に希望がない「おまかせします」で問題なし。曲を聴いて合わせてくれる

要望が複数ある場合は、曲順に並べたメモ(きっかけシート)を渡すのが確実です。当日のリハーサルは1組20〜30分しかなく(逆リハ・順リハとは)、口頭で伝えた内容は流れてしまいがち。セットリストの余白やセット図の備考欄に書いて渡しましょう。

セット図の備考欄は、伝達ミスを防ぐ場所
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「客電」を使う会話例と、間違えやすい使い方

現場で実際に飛び交う言い回しを覚えておくと、スタッフとのやり取りがスムーズになります。

⚠️ 「客電を消して」=ステージも暗くなる、ではありません:客電はあくまで客席側。ステージも暗くしたい場合は「暗転で」と伝えます。逆に「暗転して」と言うと客席は明るいままになることがあるので、両方落としたいときは「客電も落として暗転で」と具体的に伝えるのが確実です。

まとめ:客電は、ライブの始まりと終わりを告げるスイッチ

開演前後の流れをもっと詳しく知りたい方は影アナとはSE(入場SE)とは板付きとはもあわせてどうぞ。ライブ当日の全体像はライブハウス初出演の完全ガイドにまとめています。

よくある質問(FAQ)

客電とは何ですか?
客電(きゃくでん)とは、客席側の照明のことです。「客席照明」を縮めた言葉で、もともとは劇場・演劇の現場で使われてきました。ライブや舞台では、開演とともに客電を落とし、終演で入れるのが基本です。ステージ側の照明とは系統が分かれています。
客電の読み方は何ですか?
「きゃくでん」と読みます。客席(きゃくせき)と電気(でんき)を組み合わせた略語です。
「客電が落ちる」とはどういう意味ですか?
客席の照明が消えて暗くなることで、開演の合図を意味します。ライブでは客電が落ちた瞬間に歓声が上がるのが定番で、演者にとってはステージに出るキューでもあります。逆に「客電が入る」は照明が点くことで、終演やアンコール、対バンの転換中を意味します。
客電と暗転の違いは何ですか?
客電は客席側の照明、暗転はステージ側の照明を落として暗くすることを指します。客電が落ちてもステージが明るければ暗転ではありませんし、暗転してもロビーや客席の足元灯が点いていることもあります。両方を暗くしてほしい場合は「客電も落として暗転で」と具体的に伝えるのが確実です。
客電が落ちると、ステージから客席は見えますか?
ほとんど見えません。自分に当たっている照明が明るいほど対比で客席は暗く見えるため、最前列がかろうじて見える程度のことが多いです。そのため演者は歓声や手拍子など音で客席の反応を判断します。ただし客席からは演者がよく見えているので、見えないからと下を向くとその姿だけが伝わってしまいます。
アンコールで客電が入るのはなぜですか?
客席とステージを同じ明るさにして一体感を出すため、また演者からお客さんの顔が見えるようにするためです。集中していた空気が緩む効果もあるため、終盤やアンコールなど「締めくくり」の場面で使われるのが定石です。ほかに、客席に降りる演出や撮影タイム、全員で歌う場面でも客電を入れます。
客電を入れてほしいときは誰に頼めばいいですか?
ライブハウスの照明担当(小箱ではPAが兼任することもあります)に伝えます。「ラスト前の曲のサビで客電を入れてください」のように、曲順とタイミングを具体的に伝えるのがポイントです。当日のリハーサルは1組20〜30分と短いため、曲順に並べたメモやセット図の備考欄に書いて事前に渡しておくと確実です。
カフェや野外では客電はどうなりますか?
カフェ・バーでは飲食営業のため明るさを保つ必要があり、客電を落とさない(落とせない)ことがほとんどです。野外イベントも日中は自然光なので照明演出そのものが効きません。こうした会場では「客電が落ちてから始まる」という前提が通用しないため、SEや影アナなど音で開演を知らせる工夫が重要になります。