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用語集

テクニカルライダーとは?書く項目一覧・ステージプロットとの違い・英語での書き方【バンド向け】

公開:2026年08月15日 ・ 運営:LOCAL POWER株式会社(セット図くん)

海外公演やフェスへの出演が決まると、主催者から「テクニカルライダー(Technical Rider)を送ってください」と言われることがあります。結論から言うと、テクニカルライダーとは、出演に必要な機材・音響・電源などの技術要件を1つにまとめて、主催者・会場に事前に渡す書類のこと。中身はステージプロット(配置図)とインプットリスト(回線表)が中心で、日本のライブハウスに出す「セット図+回線表」とほぼ同じ役割です。この記事では、書く項目の一覧、英語での書き方、ホスピタリティライダーとの違い、作り方のコツまで解説します。

テクニカルライダーの中身は「セット図+回線表」
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結論:テクニカルライダーとは「出演の技術仕様書」

テクニカルライダー(Technical Rider)とは、ライブ出演に必要な機材・音響・電源などの技術面の要件を1つの書類にまとめ、主催者・会場・音響チームに事前に渡すものです。「うちのバンドはこういう編成で、この機材を持ち込み、これを用意してほしい」を、初対面のスタッフでも読めば分かる形にした出演の仕様書と考えると分かりやすいです。

似た言葉が多いので、まず関係を整理しておきましょう。

書類内容日本での相当物
テクニカルライダー技術要件の総まとめ(配置図・回線表・機材リスト・電源など)セット図+回線表+備考をまとめたもの
ステージプロットステージ上の機材配置図。ライダーの中核パーツセット図
インプットリストミキサーに立ち上げる回線の一覧表。もう1つの中核パーツ回線表・PA表
ホスピタリティライダー楽屋・飲食・駐車場など生活面の要望楽屋まわりの要望書
💡 単に「ライダー」と言うときは、テクニカルとホスピタリティの両方を合わせた要求書全体を指すことが多いです。

語源——契約書に「付け足す」書類だから rider

rider は英語で契約書の付帯条項・追記書類のこと。出演契約の本体(ギャラや日程)に「乗る(ride)」形で添付される追加文書、というのが語源です。1970年代にロックのツアーが大規模化し、アーティストごとに音響・照明の要求を事前に正確に伝える必要が生まれたことで、コンサート制作の標準的な書類として定着しました。

🍫 有名な逸話が、ヴァン・ヘイレンの「茶色いM&M'sを取り除いておくこと」という一文。わがままに見えますが、実際は会場側が契約書を隅まで読んだかを確かめるテストで、茶色が混ざっていたら「重量物や電源の技術仕様も読み飛ばされている恐れがある」と判断するための仕掛けだった、と本人たちが語っています。ライダーは細部まで読まれてこそ意味がある、という象徴的な話です。

日本のライブハウスでは「セット図+回線表」がその役割

大事な前提として、国内の通常のライブハウス出演で「テクニカルライダーを出してください」と言われることはほぼありません。求められるのはセット図回線表で、この2枚がテクニカルライダーの中身そのものです。つまり、普段からセット図・回線表を作っているバンドは、テクニカルライダーの9割をすでに作れていることになります。

海外・フェスでの呼び方日本の現場での呼び方
Stage Plot(ステージプロット)セット図・配置図・セッティング図
Input List / Channel List回線表・インプットリスト・PA表
Backline(バックライン)アンプ・ドラムなど大型機材。上手・下手の奥に並ぶ機材群
Monitor / Wedge返し・転がし
FOH(Front of House)客席側のPA卓・表の卓

テクニカルライダーに書く項目一覧

フォーマットは自由ですが、次の項目が揃っていれば「読めるライダー」になります。

項目書くこと
① 基本情報アーティスト名・技術窓口の連絡先(メール)・作成日
② 編成・メンバー表人数と各パート(Vo/Gt/Ba/Dr/Key…)
③ ステージプロット機材の配置図(客席目線)。ライダーの中核
④ インプットリストCh・音源・マイク/DI・48V・スタンドの一覧
⑤ 機材リスト持込む機材会場・主催者に用意してほしい機材の区別
⑥ モニター要件返しの数と位置、IEM(イヤモニ)の有無
⑦ 電源ステージ上で必要な電源の口数と位置。海外なら電圧・プラグ形状も
⑧ サウンドチェック希望時間と所要(例:30分)。リハの流れも参照
⑨ その他ワイヤレスの周波数帯・同期の有無・照明や映像の要望など
💡 全項目を埋める必要はありません。核は③ステージプロットと④インプットリスト。小さな編成なら、この2つ+持込機材のメモで十分立派なライダーです。

中身①:ステージプロット(配置図)

ステージを客席目線で描き、誰がどこに立ち、機材がどこに置かれるかを示す図です。例えばVo/Gt/Ba/Drの4人編成ならこうなります。

▲ 4ピースの基本形。ドラムは奥中央、ギター上手・ベース下手、返し(黒い台形)は各自の足元へ。

書き方の基本(上手・下手の向き、必ず入れる7つの情報)はセット図の作り方・書き方【完全ガイド】で、ステージプロットという言葉自体の解説はステージプロットとはで詳しく扱っています。

中身②:インプットリスト(回線表)

「どのチャンネルに・何の音を・どのマイク/DIで入れるか」を1行ずつ並べた表です。48V(ファンタム電源)の要否、マイクスタンドの種類、持込機材の型番まで書いてあると、音響チームはケーブルとマイクを事前に準備でき、当日の立ち上げが劇的に速くなります。記入例と48V早見表はインプットリスト(回線表)の書き方にまとめています。

中身③:機材リスト——「持込」と「先方手配」を必ず分ける

テクニカルライダーで最も事故が起きやすいのがここです。大原則は1つ。

⚠️ ライダーに書いていないものは、現地に用意されていません。「ドラムはあるだろう」「DIくらい貸してくれるだろう」という思い込みが、当日の絶望に変わります。逆に、書いてあれば先方は準備するか、「用意できない」と事前に返事をくれます。どちらに転んでも本番前に解決できるのがライダーの価値です。

書き方はシンプルで、機材を「持込(We will bring)」と「先方手配をお願いしたい(To be provided)」の2つに分けて列挙するだけ。バックライン(ドラムセット・ギターアンプ・ベースアンプ)は、飛行機での移動を伴う公演では先方手配にするのが一般的です。その場合は「JC-120 または同等品」のように希望機種+代替可の形で書くと調整がスムーズです。

海外公演では電源事情も忘れずに。日本は100Vですが、アメリカは120V、ヨーロッパの多くは230Vで、プラグ形状も違います。持ち込む機材の対応電圧を確認し、変圧器が必要ならその旨をライダーに書いておきましょう。ワイヤレス機器は国ごとに使用できる周波数帯が異なるため、持込の可否自体を先方に確認するのが安全です。

ライダーの中核2枚を、いちばん速く作る
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英語での書き方——そのまま使える用語対訳表

海外の主催者に送るときに使う定番表現をまとめました。難しい英作文は不要で、図と表+この定型句でほぼ伝わります。

日本語英語
セット図・配置図Stage Plot
回線表Input List(Channel List)
返し(モニター)Monitor wedge
イヤモニIEM(In-Ear Monitors)
持ち込みますWe will bring 〜
会場でご用意くださいTo be provided by the venue(by the promoter)
〜または同等品〜 or equivalent
48V(ファンタム電源)Phantom power(+48V)
電源(コンセント)Power outlet
音出し確認Soundcheck

例文はこの3パターンを覚えれば十分です。

💡 曖昧な表現は避けるのが鉄則。「good sound system」「enough monitors」のような書き方は解釈が割れます。数・型番・位置で書きましょう。

いつ求められる?——場面別の早見表

場面テクニカルライダー
海外公演・海外ツアーほぼ必須。契約書とセットで事前提出
国内の大型フェス・イベント事前提出資料として同等のものを求められる(呼び名は「セッティング表」「ステージプロット」のことが多い)
ホール公演・企業イベント音響会社との打ち合わせ資料として役立つ
通常のライブハウス出演不要。セット図回線表を出せば同じ役割

対バン形式での提出期日やマナーは対バンのセット図・提出マナーにまとめています。

ホスピタリティライダーとの違い

テクニカルライダーが「技術面」なら、ホスピタリティライダーは楽屋・飲食・移動など「生活面」の要望書です。楽屋の数、ケータリング(食事・飲み物)、タオル、駐車場、Wi-Fiなどを書きます。

⚠️ 駆け出しのバンドが張り切って書く書類ではありません。要求が多すぎると先方が引いてしまいます。インディーズの海外公演なら「水×人数分、タオルがあればうれしい」程度の控えめな内容で十分。技術面は詳しく、生活面は謙虚にが基本姿勢です。

作り方のコツ5つ

土台の2枚は、セット図くんで数分で作れる

テクニカルライダーの中核=ステージプロットとインプットリストは、セット図くんで作るのが最速です。編成テンプレを選んで記号を並べるだけで配置図が完成し、回線表も同じ画面で入力して1枚のPDFに。あとは機材リストと連絡先を添えれば、海外にもそのまま送れるライダーの完成です。登録不要・完全無料。

ステージプロット+回線表を1枚のPDFに
編成ひな形から選んで並べるだけ。フェスの提出資料にも海外公演のライダーにも。
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よくある質問(FAQ)

テクニカルライダーとは何ですか?
ライブ出演に必要な機材・音響・電源などの技術要件を1つの書類にまとめ、主催者や会場に事前に渡すものです。中身はステージプロット(機材の配置図)とインプットリスト(回線表)が中心で、持込機材と会場に用意してほしい機材のリスト、モニターや電源の要件、サウンドチェックの希望時間などを添えます。海外公演やフェス出演で提出を求められます。
ライダー(rider)とはどういう意味ですか?
英語で契約書の付帯条項・追記書類のことです。出演契約の本体に添付される追加文書という意味から、アーティストが主催者に渡す要求書をライダーと呼ぶようになりました。技術面をまとめたものがテクニカルライダー、楽屋や飲食など生活面をまとめたものがホスピタリティライダーです。
テクニカルライダーとステージプロットの違いは何ですか?
ステージプロットはステージ上の機材配置を描いた「図」で、テクニカルライダーはその図を含む技術要件の「書類一式」です。テクニカルライダーの中に、ステージプロット・インプットリスト・機材リスト・電源要件などが含まれる、という関係になります。
日本のライブハウスに出るときもテクニカルライダーは必要ですか?
通常は不要です。国内のライブハウスで求められるのはセット図と回線表(インプットリスト)で、この2枚がテクニカルライダーの中身とほぼ同じ役割を果たします。普段からセット図・回線表を作っているバンドは、海外公演になってもその内容を英語表記にして機材リストを添えるだけでライダーが作れます。
セット図は英語で何と言いますか?
Stage Plot(ステージプロット)と言います。回線表はInput ListまたはChannel List、返し(モニター)はmonitor wedge、アンプやドラムなどの大型機材はbacklineと呼ばれます。「持ち込みます」はWe will bring、「会場でご用意ください」はTo be provided by the venueが定番表現です。
ホスピタリティライダーとは何ですか?
楽屋・食事・飲み物・タオル・駐車場など、技術面以外の生活面の要望をまとめた書類です。テクニカルライダーとセットで「ライダー」と総称されます。駆け出しのうちは要求を最小限にし、技術面は詳しく・生活面は謙虚に書くのが好印象です。
テクニカルライダーは何枚くらいにまとめるべきですか?
ステージプロット1枚+インプットリスト1枚の計1〜2枚が理想です。機材リストや電源要件は余白に書き込むか、3枚目に簡潔に。長すぎるライダーは読み飛ばされるリスクが上がるため、図と表を中心にコンパクトにまとめます。
テクニカルライダーは誰が書くのですか?
バンド・アーティスト側が書いて主催者に送ります。プロの現場ではツアーマネージャーや専属エンジニアが書きますが、インディーズならメンバー(機材に詳しい人)が書けば十分です。書いていないものは現地に用意されない、が大原則なので、機材に関わる要望は漏らさず書きましょう。