ライブハウスの提出物一覧【締切・形式の早見表】セット図・セトリ・音源を何日前に誰へ送るか
出演が決まった。日程も決まった。でも「結局、何を・いつまでに・誰に出せばいいのか」が分からない——この記事はその1点だけを解決します。結論から言うと、ライブハウスに出す資料はセット図・セットリスト・音源の3点が軸で、締切は会場から指定があればその日、無ければ本番1週間前。この記事では提出物ごとの「誰が使うか・いつまでに・どの形式で」を早見表にまとめ、ファイル名の付け方、そのまま使える提出メールの文例、本番から逆算したスケジュール、提出前チェックリストまで通しで並べました。自主企画で集める側に回ったときの回収リストも後半にあります。
結論:軸は3点、締切は「指定日/無ければ1週間前」
会場によって呼び方も範囲も違いますが、アマチュアバンドがライブハウスに出す資料は、突きつめると次の3点です。
- セット図(ステージプロット)——編成・立ち位置・機材・持込/会場の区別。PAと転換の段取りの土台
- セットリスト——曲順・MCの位置・SEの有無。PAと照明が別々に見る
- 当日演奏する曲の音源——PAと照明が事前に曲を聴いて仕込むためのもの
ここに、会場や状況に応じてインプットリスト(回線表)・プロフィール/アー写・物販リストが加わります。締切は案内メールに書かれている指定日が最優先。指定が無ければ本番1週間前を目安にしてください。
提出物ぜんぶ一覧【何を・誰が使う・いつまでに・形式】
この表がこの記事の本体です。自分の状況に当てはまる行だけ拾ってください。
| 提出物 | 誰が使う(必須度) | 締切の目安 | 形式 |
|---|---|---|---|
| セット図(ステージプロット) | PA・照明・共演者(ほぼ必須) | 指定日/1週間前 | PDF・画像 |
| セットリスト(PA用) | PA(ほぼ必須) | 指定日/1週間前 | PDF・画像・Excel |
| セットリスト(照明用) | 照明(会場による) | 指定日/1週間前 | PDF・画像・Excel |
| 音源(当日演奏曲) | PA・照明(会場による) | 1週間前 | MP3 |
| 入場SE・転換BGM | PA(使うなら必須) | 1週間前〜前日 | MP3・当日CD/スマホ |
| インプットリスト(回線表) | PA(任意・喜ばれる) | セット図と同時 | PDF・画像 |
| プロフィール・アー写 | 店・主催=宣伝用(告知前に必須) | 出演決定〜1か月前 | テキスト・JPEG |
| 物販リスト | 店=物販管理(物販するなら) | 1週間前〜前日 | テキスト・PDF |
| ノルマ枚数・予約リスト | 店=受付・精算(会場による) | 前日〜当日朝 | フォーム・メール |
| タイムテーブル・公演概要書 | 店・全出演者(主催のみ) | 2週間前 |
カッコ内の必須度は絶対ではありません。案内メールに書いてあるものが、その会場での正解です。この表は「案内に何も書いていなかった」「案内を読んでも用語が分からない」ときの下敷きとして使ってください。
提出物ごとの最小要件(これだけ書いてあれば通る)
それぞれ「合格ライン」を切り出します。完璧を目指すより、この最小要件を満たしたものを期限内に出すほうが、現場ではずっと評価されます。
① セット図(ステージプロット)
読み取れるべきは次の5点です。逆に言えば、この5点さえ伝われば手書きでも通ります。
- 編成——Vo/Gt/Ba/Dr/Key など、誰が何をやるか
- 立ち位置——上手・下手を客席目線で。奥(バックライン)と前の区別も
- 機材の配置——アンプ・ドラム・キーボードの位置と機種名
- 持込か会場(レンタル)か——機材1つずつに明記。対バンでいちばん困るのがここ
- 返しの希望——返し(ウェッジ)を誰の足元にいくつ置くか
書き方の手順とNG例はセット図の作り方・書き方【完全ガイド】に、ひな形のダウンロードは無料テンプレート(PDF・Excel)にまとめています。
② インプットリスト(回線表)
「Chいくつに何の音を入れるか」の一覧です。任意の会場が多いものの、出すと確実に喜ばれる資料。とくにキーボードや同期(オケ)を使う編成、サポートを入れた編成では、回線が足りるかどうかが事前に判断できるため、出す価値が跳ね上がります。最低限、Ch番号・音源(楽器)・マイク/DIの別・持込かどうかの4列があれば成立します(回線表の書き方)。
③ セットリスト——PA用と照明用は分けて出す
ここが見落とされがちな実務です。セットリストは音響と照明で見る場所が違うため、2種類に分けて出す運用の会場があります。曲順は同じでも、余白に書く要望が別物になります。
| 用途 | 曲順以外に書くこと | 書き方の例 |
|---|---|---|
| PA(音響)用 | テンポ感、MCの位置と長さ、曲間のつなぎ(切るか続けるか)、エフェクトの要望 | 「3曲目→4曲目は曲間なしでつなぎます」「バラードなのでVoにリバーブ深めでお願いします」 |
| 照明用 | 曲の雰囲気・色のイメージ、盛り上がる箇所、スモークの可否 | 「2曲目は赤めで激しく」「ラストはサビ前で一度暗転させたいです」 |
1枚にまとめる会場も多いので、分けるかどうかは案内に従ってください。分ける場合も曲順・曲名・尺は完全に同じ内容にし、余白の要望だけを変えます。MCの位置と入場SEの有無は、どちらの用紙にも必ず入れてください。曲順の組み方はセットリストの書き方・作り方で解説しています。
④ 音源(当日演奏する曲)
「なぜ音源まで?」と思うかもしれませんが、PAと照明にとってはいちばん情報量の多い資料です。曲を聴いておけば、リハ前の時点で音作りと照明の当たりをつけられます。事前に音源を送ったバンドと送らないバンドでは、リハの1本目から仕上がりが違います。
- 形式はMP3——WAVは容量が大きく、対バン全組ぶんではダウンロードにも保存にも負担がかかります。指定がなければMP3で送るのが親切です
- 音質は問われない——スタジオでスマホ録りした音源で構いません。曲展開が分かればいいので、音質より「当日やる曲であること」が大事です
- ファイル名に曲順番号——「01_曲名.mp3」のように頭に番号を振ると、セットリストと突き合わせずに済みます
- 歌詞も添えると強い——照明は歌詞から曲の山を読みます。テキストで十分です
⑤ プロフィール・アー写
これはPAや照明ではなく店・主催の宣伝用。だから締切がいちばん早く、出演決定の直後〜告知開始前に求められます。ライブハウスのサイトやSNSで告知が始まってから送っても間に合いません。文字数は会場指定が無ければ100字前後の短い版と300字前後の版を用意しておくと、そのまま使い回せます(バンドプロフィールの書き方)。
⑥ 物販リスト
物販をやるなら、何を・いくらで・何点持ち込むかを事前に伝えます。物販スペースの割り当てと、会場が販売を代行する場合の売上精算に使われます。CD・Tシャツ・チェキ券などアイテムごとに単価と持込数を並べた表で十分です(ライブ物販のやり方)。
⑦【主催のみ】公演概要書・タイムテーブル
自主企画で自分が主催になる場合、バンドとしての提出物に加えて、主催としての提出物が発生します。会場に出すのは主に次の4点です。
- 公演概要書——日程・イベントタイトル・出演者名・開場/開演時刻・チケット価格・販売方法・発売日・入場順
- タイムテーブル——入り・リハ(逆リハ)・開場・開演・各組の出番と転換・終演・撤収
- 全出演者のセット図と回線表——各バンドから集めたものをまとめて会場へ
- 音響照明オーダー——イベント全体としての要望(開演前BGM、影アナの有無、幕の扱いなど)
主催の段取り全体は自主企画ライブのやり方に、回収の実務はこの記事の「集める側」の章にまとめています。
ファイル形式とファイル名【PDF原則・MP3・例外の扱い】
内容が良くても、開けないファイルは提出していないのと同じです。ここは事故が起きやすいので、原則と例外を分けて覚えてください。
原則:PDFか画像(JPEG)で送る
ライブハウスのPCで確実に開けて、レイアウトが崩れないからです。逆に、Word・PowerPoint・Illustrator(.ai)などの制作ファイルをそのまま送るのは避けてください。ソフトのバージョン違いで開けなかったり、フォントが置き換わって図がずれたりします。Excelやパワポで作ったなら、PDFに書き出してから送るのが基本です(エクセル・パワポでの作り方)。
写真で送るときの最低ライン
手書きのセット図をスマホで撮って送るのは、実際よくある運用です。ただし「文字が読めない」写真は無いのと同じ。真上から撮る・影を作らない・紙の端まで入れる・送信時に「実際のサイズ」を選ぶ、の4点を守ってください。それが面倒なら、最初からツールで作ってPDFにするほうが速いです。
ファイル名の付け方(これだけで担当者に感謝されます)
会場は対バン全組ぶんのファイルを受け取ります。「セット図.pdf」が4つ届く現場を想像してください。次の型に統一するだけで、探す手間がゼロになります。
20260930_セットズカンズ_セット図.pdf
20260930_セットズカンズ_セトリ_PA用.pdf
20260930_セットズカンズ_セトリ_照明用.pdf
20260930_セットズカンズ_01_曲名.mp3
20260930_セットズカンズ_SE.mp3
日付はYYYYMMDDで。こうしておくとフォルダ内で日付順に並び、差し替え版を送るときも「_v2」を足すだけで区別できます。
容量と送り方
メール添付は合計10MB以内を目安に。音源を何曲も送ると簡単に超えるので、その場合はギガファイル便やGoogleドライブなどのリンクで渡します。ただしダウンロード期限が公演日を過ぎるまで残る設定にしてください。「開こうとしたら期限切れ」が地味に多い事故です。
送り方と、そのまま使えるメール文例3種
送り先はブッキング担当(出演のやりとりをしている人)が基本です。自主企画に出るなら主催のバンドが窓口で、会場へは主催がまとめて出します。LINEや専用フォームを指定する会場もあるので、案内を必ず確認してください。
文例① まとめて提出するとき
○○(ライブハウス名)ご担当者様
お世話になっております。9/30(火)に出演します「セットズカンズ」の田中です。
当日の資料を添付にてお送りします。ご確認をお願いいたします。
・セット図(1点)
・セットリスト PA用/照明用(2点)
・当日演奏曲の音源 5曲+入場SE(MP3・ファイル転送サービス)→ URL
・編成:Vo/Gt/Ba/Dr の4人です
・持込機材:ギターアンプヘッド、ボーカルマイク(SM58)
ご不明点がありましたら、本メールまたは電話(090-xxxx-xxxx)までご連絡ください。
当日はよろしくお願いいたします。
セットズカンズ 田中
ポイントは4つ。①件名に公演日とバンド名(担当者が検索で探せる)、②添付の中身を箇条書き(開かずに過不足が分かる)、③編成と持込機材を本文に(ファイルを開く前に概要が伝わる)、④当日つながる電話番号。
文例② 差し替え・追加を送るとき
お世話になっております。セットズカンズの田中です。
9/16にお送りしたセット図を差し替えさせてください。
変更点:キーボード(サポート)が1名増えました。下手前方に配置し、DIを2本お借りできればと思います。
それ以外(曲順・持込機材・編成のほか3名)に変更はありません。
直前のご連絡となり申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
変更点だけを太字で1行にするのが鉄則です。「新しいの送りました」だけだと、担当者は旧版と見比べる作業を強いられます。「それ以外に変更なし」と明記するのも同じ理由。なお、回線が増える変更(サポート追加・キーボード追加・同期追加)は、分かった時点ですぐ連絡してください。当日申告では回線もマイクも足りません。
文例③ 締切に間に合わなかったとき
お世話になっております。セットズカンズの田中です。
資料の提出が期限を過ぎてしまい、申し訳ありません。セット図とセットリストを添付します。
編成はVo/Gt/Ba/Dr の4人、持込はギターアンプヘッドのみです。
会場機材の変更が必要な箇所はありませんので、間に合わない部分は会場の通常セットで進めていただいて問題ありません。
次回は必ず期限内にお送りします。当日はよろしくお願いいたします。
遅れたときは、謝る→送る→「最悪ここだけ押さえてくれれば成立する」を書くの3段構えにします。担当者が短時間で判断できる材料を渡すのが、いちばん実用的な詫び方です。長い言い訳は不要。
本番から逆算する提出スケジュール
提出物は「締切の日にまとめて出す」ものではなく、締切が別々です。時系列に並べると迷いません。
| 時期 | やること | 相手 |
|---|---|---|
| 出演決定の直後 | 案内メールを読み、提出物と締切を全部書き出す。プロフィール・アー写を送る | 店・主催 |
| 3週間前 | 曲順を仮決め。サポート・持込機材の有無を確定させる | バンド内 |
| 2週間前 | セット図・回線表を作る。主催ならタイムテーブルと公演概要書を会場へ | (主催は店へ) |
| 1週間前(本命の締切) | セット図・セットリスト・音源をまとめて提出 | ブッキング担当/主催 |
| 3日前 | 返信の有無を確認。届いていなそうなら一度だけ確認の連絡 | ブッキング担当 |
| 前日 | 物販リスト・予約者リストを送付。変更があれば差し替え版を送る | 店 |
| 当日(入り) | 紙に印刷したセット図とセトリを持参。PAへ手渡しし、変更点を口頭で一言 | PA・照明 |
【主催側】出演バンドから回収するもの一覧と督促のコツ
自主企画をやると、立場が反転して集める側になります。ここがいちばん消耗する仕事です。順番に潰していきましょう。
回収するもの
| 回収物 | 締切(本番からの逆算) | 使い道 |
|---|---|---|
| プロフィール・アー写 | 1か月前 | 告知・フライヤー・SNS |
| 編成・持込機材 | 3週間前 | 転換時間の見積もり |
| セット図・回線表 | 2週間前 | まとめて会場へ/リハ順の設計 |
| セットリスト | 1週間前 | 持ち時間の検算・会場へ |
| 音源・SE | 1週間前 | 会場へ転送 |
| 物販の有無・点数 | 1週間前 | 物販スペースの割り当て |
| 予約・動員の見込み | 3日前 | 受付準備・ドリンクの発注 |
主催の締切は、会場への締切より1週間早く設定するのがコツです。集めて確認して会場へ転送する時間が要るからです。「会場の締切が1週間前なら、出演者には2週間前と伝える」。この1週間が主催の命綱になります。
集まらないときの督促のコツ
- 最初の案内に全部書く——提出物・締切・送り先・形式を1通にまとめて出演決定時に配る。あとから小出しにすると必ず漏れます
- 締切の3日前にリマインド——「まだの方は」ではなく、提出済みの組名を挙げて「あと○組です」と書くと動きます
- 個別に聞く——グループLINEでの全体呼びかけは全員が「自分のことではない」と思います。最後は個別DM
- 最悪これだけ、を提示する——「セット図が間に合わないなら、編成と持込機材だけ文章で送ってください」。ゼロよりはるかにマシです
- ひな形を配る——白紙から作らせないこと。テンプレートやツールのリンクを案内に1行入れるだけで回収率が変わります
提出前チェックリスト(送信ボタンを押す前に)
ここまでの内容を、送る直前の確認用に16項目へ落としました。
内容
- 案内メールに書かれた提出物が全部そろっている(読み直した)
- セット図に編成・立ち位置・機材名・持込/会場・返しの5点が入っている
- 持込機材に機種名が書いてある(「アンプ持込」ではなく「JC-120持込」)
- セットリストにMCの位置とSEの有無が書いてある
- 曲数×尺の合計が持ち時間に収まっている
- サポートメンバー・同期(オケ)の有無が書いてある
- セット図に作成日と代表者の連絡先が入っている
ファイル
- 形式はPDFか画像(会場からExcel等の指定があればそれに従った)
- 音源はMP3。SEは本編と分けてファイル名に「SE」が入っている
- ファイル名が「公演日_バンド名_資料名」になっている
- 添付の合計が10MB以内(超えるならリンクで、期限は公演日以降まで)
- 白黒で印刷しても読める(色だけで区別していない・文字がつぶれない)
送信
- 件名に公演日とバンド名が入っている
- 宛先がブッキング担当(自主企画なら主催)で合っている
- 本文に編成・持込機材・当日つながる電話番号を書いた
- 添付を付け忘れていない(最頻出の事故です)
よくある失敗
- ❌ 案内メールを読まずに一般論で出す——締切も形式も会場ごとに違います。「5日前・Excelのまま」と書いてあるのにPDFを1週間前に送る、は親切ではなく手戻りです
- ❌ 前日・当日に出す——人力で全組ぶんを見る以上、読む時間が無ければ要望は反映されません
- ❌ 制作ファイル(.ai・.pptx)をそのまま添付——開けない・崩れる。PDFに書き出してから
- ❌ ファイル名が「セット図.pdf」——全組ぶん届く現場で迷子になります
- ❌ 音源をWAVで全曲送る——容量で相手のダウンロードと保存を圧迫します。MP3で
- ❌ SEを本編の曲と混ぜて送る——本番の頭で流す音源です。名前で区別を
- ❌ サポート追加・編成変更を当日に言う——回線とマイクが足りません。決まった時点で連絡を
- ❌ プロフィールとアー写を後回しにする——告知が始まってからでは載りません。締切がいちばん早い提出物です
- ❌ 送ったきり確認しない——届いていない事故は普通に起きます。3日たって無反応なら1回だけ確認を
まとめ
- 軸はセット図・セットリスト・音源の3点。回線表・プロフィール・物販リストが状況に応じて加わる
- 締切は案内の指定日が最優先、無ければ1週間前。プロフィールとアー写だけは1か月前
- 提出物は「誰が使うか」で考える——PA・照明・店で見る資料が違う
- 形式はPDF/画像、音源はMP3。ただし会場の指定が原則より上
- ファイル名は公演日_バンド名_資料名。件名にも公演日とバンド名を
- 当日は紙に印刷して持参。送信済みでも保険になり、PAに喜ばれる
- 主催は会場の締切より1週間早く出演者に締切を設定する